まさに食品の裏側
今日は『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物  安部 司 (著)』 という本を紹介したいと思います。


添加物が怖い、という本は何度か読んできましたが、この本がそれらの本と違うところは、添加物を使い始めた工場などの人が、どのようにそれら添加物を営業マンに売り込まれて使い始めたのかという話が導入部分にあるところです。とても生々しいです。

「知れば怖くて食べられない」とコピーにありますが、中身を読むと、よくありがちな発ガン性の話などは殆どありません。
それよりも、タイトルにあるように、

「私たちが口にしている食品が裏でどう作られているか」

が赤裸々に語られています。
コンビニのサラダとか梅干とか、健康のためと思って食べていたのに・・・ショックです。



この手の本って、学者がデータを出して、これは危険だ!と恐怖心を煽ってるだけ、とかマイナスに捕られがちですが、この本はちょっと違います。
食品添加物の元トップセールスマンの暴露本で面白く読めて、毒性うんぬんも言っていない。
何で作られてるか知って、その上で選択して欲しいと。
危険でも売る側の理屈や、誰が得するのか、そして誰が貧乏くじをひいているのかがわかるほうが妙に説得力があります。
この著者には他人を啓蒙しようとするような、上から見下すようなところが全くないのです。 
「自分の知っていることをみんなに教えたい」という意志がしっかりと伝わってきます。


例えばミートボール。ドロドロのくず肉(牛の骨から削りとる産業廃棄物とも言える部分)が30種類の添加物でミートボールに。

クズ肉の元の状態では形はドロドロ、水っぽく味もなく食べられるシロモノではありません。そこに、安い廃鶏のミンチを加え増量、ソフト感を出すため「組織状大豆たんぱく」(=人造肉)を加える・・・今でも安いハンバーグには必ず使われているみたいです。
これでなんとかベースは出来るが、味がないので「ビーフエキス」「化学調味料」を大量に使用し味付け。
歯ざわりを滑らかにするため「ラード」「加工でんぷん」も投入。
「桔着剤」「乳化剤」も入れ、機械で大量生産する作業性を良くします。
これに色よくするため「着色料」保存性をあげるため「保存料」「PH調整剤」
色あせを防ぐため「酸化防止剤」etc

ソースとケチャップは、
コストを抑えるため氷酢酸を薄めカラメルで黒くし「化学調味料」を加え「ソースもどき」を作り
トマトペーストに「着色料」で色をつけ「酸味料」を加え、「増粘多糖類」でとろみをつけ「ケチャップもどき」を作る。
これをミートボールにからめ真空パックにつめ加熱殺菌すれば「産業廃棄物」となるクズ肉を、添加物を大量投入して「食品」に仕立て上げたミートボール。
もはや「添加物のかたまり」ですね。
この添加物の塊が大ヒットしメーカーはビルが建ったくらい儲かったそうです

他にも、特売しょうゆはなぜ安いのか、低級タラコが高級品に変身する様子、特売ハムなどのカラクリ無着色と表示されている食品の怖さ等など、驚くべき実態が公開されています。




食品添加物を「危険」とか「食べるな」とは言わない著者ですが、子どもの「味覚の破壊」、それ以上に「食卓の崩壊」は安全性以上に問題視していて、毒性はないが子供に与えたくない添加物が3つあげられていました。
これはほとんどの食品、お菓子に入っているものらしいです。

あぁ、この本は子どもたちのために書いたんだなぁ。
子どもと子育て中のお母さんのために。
わたしたちが、食について、知らされていない情報がたくさんあると思います。本書は格好の入門書でしょうね。

たまに言われることですが、食品会社の工場で働く人は自社の製品を食べているのでしょうかねぇ?