シャワーよりお風呂 その3 免疫強化

冬でもシャワー派な人は多いみたいです。湯船につからない理由は様々みたいですが、今年はインフルエンザが猛威を振るっていることを考えると、免疫の面でもシャワーよりお風呂をおススメしたいです。

寒くなると恋しくなるのはやっぱり温泉。記録に残っている世界最古の温泉は、ギリシャのコス島にあるエンブロス温泉。コス島は火山活動が活発なため、温泉が豊富に湧いています。現在も存在していて、写真でみると一見海水浴場のようにみえますが、海の中にできた珍しい自然の温泉です。ここはリゾート地として有名ですが、もともとこの温泉は医療施設として始まりました。

紀元前400年ごろ、エジプト・リビア・ペルシャ領・エーゲ海東部で疫病が大流行しました。いくつかの村は消滅するほどの猛威を振るったようです。今から2400年前の古代ギリシャの医学は「病気は神様からの罰」と考えられていました。なので治療法といえば、聖職者や魔術師たちが祈りを捧げたり、呪術をするものでした。医者も患者が見た夢の内容から、神のお告げを聞かせて安心させるといったことをしていたようです。もちろん、そんな医学で病気が治るはずもなく、多くの人が命を落としてしまいます。

そんななか、「現代医学の父」と呼ばれているヒポクラテスは、病気を科学的に観察して、医術を迷信から引き離すことに尽力していました。そのヒポクラテスは、1日中熱い鉄を打っている鍛冶職人たちだけは疫病に感染していないことに注目。
今でこそ、「体温が1度上がると免疫力は5~6倍になる」ことは、科学的に分かっていますが、ヒポクラテスは「鉄を打つ鍛冶職人は1日中暑い場所にいる」事実から「熱で病気が防げる」と考えたのですね。つまり、当時としては非常識だった、熱と病気の関係を発見し、自身の出身地のコス島にある温泉を治療施設として使い始めたというわけです。

ところで、免疫とタンパク質は密接に関係していて、免疫細胞を活性化させるためには、細胞の主成分になるタンパク質が必要です。不足すると、ウィルスや疾患などにかかりやすい体になってしまいますので、タンパク質は重要です。そして、入浴して体温が上昇すると体内のタンパク質が増えるらしいです。


(神藤啓司著 草隆社)

銭湯養生訓という本によると、体温36度の人が入浴で38.0度になると、体内のタンパク質の量は1.5倍、38.5度になると2倍になるとのことです。
なんとも不思議な感じがしますが、個人的に、たぶんこれは最近注目されているヒートショックプロテインのことかなと思います。(ヒートショックプロテインに触れるとものすごく長くなのるで、今回は割愛します)
つまり、入浴で体を温めることで、免疫が強化、疫病に対抗できるというわけです。

ちなみに、お正月のお飾りなどを燃やす「とんど焼き」(どんど焼き、お焚き上げ、ほっけんぎょう・・・など、地方によって呼び方は異なりますが)の、その炎にあたると無病息災、病気を遠ざけるという言い伝えも、科学的には熱と免疫で説明できて、あながち迷信でもないのかなと。
また、温泉=リウマチに効くという構図も、リウマチは免疫異常の病気なので、入浴による体温上昇と免疫に関係するのかもしれませんね

今年のインフルエンザの流行は、警戒レベルを超えて深刻ですよね。まだまだ寒さは続くので油断大敵。インフルエンザだけでなく風邪やノロウィルスなど、この季節の体調管理には気を使います。どんなにマスクや手洗いで予防していても、予防接種をしていても、完全に防ぐのは難しいもの。やはり、自己免疫力を高めておくことが大切ですよね。
シャワーでは体温を上げるところまで体を温めることはできないので、冬を乗り切る免疫力をつけるという意味でも、シャワーより入浴です。

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