誠に勝手ながら、9月は3(日)、10(日)、17(日)、24(日)をお休みとさせていただく予定です。
※ 都合により急遽変更となる場合があります。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願い致します
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ここ数年改めて見直されてきたウォーキング。ただ歩くだけというお手軽なのに健康維持、筋力アップ、メンタルヘルスや脳の活性化・・・その効果は計り知れません。
そして最近にわかに注目されているエクササイズがかかと落とし。 ウォーキング以上にお手軽で他のどの筋トレよりも安全なので、まとまった時間が取れない方や高齢の方でも簡単にできます。
かかとを上げてストンと落とす。ただこれだけなのに継続すると骨粗しょう症や血圧の改善、血糖値の低下などいろいろな健康効果が確認されています。
このかかと、正確にはかかとの骨に関する研究も進んでいて健康と若さを生み出す臓器として研究者達の間で注目されているようです。
そもそも骨は2~5か月かけて作り直され(リモデリング)、個人差はありますが1年間でおよそ20%の骨がリモデリングされます。その仕組みを簡単に説明すると、破骨細胞が古くなった骨を破壊していきます。その壊した部分に骨芽細胞が新しい骨を作るという工事が全身で行われています。これを骨代謝といいます。
参考までに、骨粗しょう症の厚生労働省の定義は『骨の代謝バランスが崩れ、骨形成よりも骨破壊が上回る状態が続き、骨がもろくなった状態のこと』とあります。
なぜ骨代謝のバランスがくずれるのか?この仕組みが解明されたのは2007年と割と最近だったようです。実は骨(細胞)からはスクレロスチンという物質が分泌されていて、この物質は骨を作る骨芽細胞に「骨を作るのを止めなさい」とブレーキをかける働きがあります。つまり、この物質が大量分泌されると骨を破壊する破骨細胞だけが働くことになり、骨の建設が滞り、骨粗しょう症へと繋がります。
かかとに衝撃が加わるとオステオカルシンという物質が分泌され、スクレロスチンの活動を抑制します。スクレロスチンが少なくなると骨を作る骨芽細胞が正常に活動でき、健康な骨を作ってくれるようになります。なので寝たきり状態ではこのオステオカルシンが分泌されないので骨は痩せていく一方になるというわけです。骨が痩せると運動どころか体を支えること自体難しくなるので、歩くなどのかかとに衝撃を加える機会は減り、益々骨は痩せていくという悪循環に陥ります。
そしてオステオカルシンはスクレロスチンの抑制だけでなく様々な効果をもたらすこともわかってきました。
・記憶力の増強
骨で発生したオステオカルシンは血液に運ばれて脳の記憶を司る海馬へ運ばれ活性化させます。現在はマウスの実験レベルで認知機能の向上が確認されている段階ですが、もしかしたら認知症改善に期待できるかもと注目されています。
・血糖値の正常化
オステオカルシンはすい臓に働きかけインスリンの分泌を促進し、高くなった血糖値を下げる事が確認されています。骨粗しょう症患者が治療を進めていく内に血糖値も改善されることは珍しくないそうですが、オステオカルシンの存在がわからない頃は謎だったそうです。
・生殖能力の改善
またこのオステオカルシンは男性の精巣にも働きかけて男性ホルモンを増やし精子の数を増やします。まだマウスの実験の中での研究結果ですが、オステオカルシンがないと精子の数が半分近くにまで減り生殖能力が落ちてしまうようです。
かかとへの衝撃で分泌されるのはオステオカルシンだけでなくオステオポンチンという物質も分泌されるそうです。オステオポンチンは体の免疫力も向上させます。高齢者の死因の多くは感染症や肺炎ですが、これは老化により免疫力が低下しウイルスなどと戦えなくなるから。オステオポンチンは免疫細胞のもとになる細胞に届くと生まれてくる免疫細胞の量が増え体全体の免疫力を根本からアップさせているのがわかったそうです
もちろん過度な負荷は禁物ですが、歩くことやかかと落としなどでかかとの骨に衝撃を与えることはいい事だらけですね。
爽快 2014年 9月号
小渕内閣で官房長官を務めた野中広務さんは肉たたき用のハンマーでつま先、土踏まず、そしてかかとをそれぞれ50回ずつ毎日朝晩叩くというのを92歳で亡くなるまで日課にされていました。政界引退後も日本中を飛び回り忙しくされていましたが、健康面では全く問題なかったそうです。ご本人は理屈より経験則で効果を感じておられたと思いますが、とても理にかなった健康法だと思います。足裏をハンマーで叩くことならちょっとした隙間時間にでもできますよね。
ハンマーは100円ショップにもありますし、上の写真はダイソーにあったゴムハンマー(100円)ですが、金属製よりも衝撃が多少優しくなるのでかかと叩きにはちょうどいいと思います。
ただでさえ歩くことが少なくなった日本人ですが、ここ数年で新しい生活様式が定着しますますかかとへの刺激が減っています。改めて歩くという事は大切なんだということと、靴もなるべくかかとに負担のないようにクッション性が良いものを選びがちですが、かかとへ負荷を与えることも大切なんだなという事を知っていただきたいなと思います。
カテゴリ:健康メモの記事一覧
加齢とともに多くなる膝痛の原因として前回は「関節軟骨のすり減り」をとりあげましたが、今回は「筋肉のコリ」について取り上げてみます。 膝など関節の痛みを訴える人は40代から急増してくるものですが、今や20代や30代でも筋肉が凝るのは普通ですし、この凝りが原因で膝の痛みを訴える人も少なくないです。
膝関節には痛みを感じる神経が存在しないので、膝痛の多くは膝関節そのものから起きるのではなく、それに関する筋が原因であることが多いです。半月板の損傷など、膝そのものを痛めている場合は話が違ってきますが、このように痛みのある場所から離れた場所ある原因をトリガーポイントといいます。
本来柔らかいはずの筋肉は、運動することで傷ついて炎症が起き痛みが生じます。 特に普段しないような動きを急にしたり、身体が冷え切った状態で運動したりすると筋肉は傷つきやすくなり痛みも大きくなります。 その痛みを和らげようと筋肉が収縮した結果、血流が悪くなり筋肉の収縮が治まらず硬くなってしまいます。これを硬結といい、一般には「コリ」といいます。
膝痛に繋がる筋肉は多いのですが、主に「内側広筋(ないそくこうきん)」と「縫工筋(ほうこうきん)」「膝窩筋(しつかきん)」の三つの硬結がトリガー(引き金)となって膝に痛みを発生させます。
●内側広筋 深い屈伸運動や身体が慣れていない段階での過度なランニングは内側広筋に負担をかけます。また階段を降りるときに親指や足首、膝のクッションを働かせずに重力に任せて降りる際にも、この筋肉を酷使します。筋萎縮を生じやすく、回復しにくい筋といわれています。この場合の痛みはたいてい膝の内側に集中します。
内側広筋が原因の痛みは関節炎やじん帯損傷、腱炎とよく間違えられます。一時的な痛みだと思い、休息や冷却、湿布などの鎮痛剤では効果は望めません。また、ストレッチによる理学療法は過剰に行うと悪化させるので注意が必要です。
●縫工筋 次に縫工筋ですが、縫工筋は身体で最も長い筋肉です。ラテン語で「仕立屋」という意味で、昔、仕立屋が足を組んで仕事をしていたことから来ていると言われています。膝内側の脛骨に付いていて、この筋肉のおかげで足を前方に上げたり膝の外旋を可能にします。 足を組むためには、この縫工筋の強い作用が必要となります。
縫工筋が起こす痛みは深い痛みというより灼熱感というかヒリヒリ、ピリピリといった痛みです。横向きに寝たとき、膝を重ねると不快感が生じたりすることも多いです。このとき膝関節に何か異常があるのかと誤解しがちですが、実は縫工筋のコリが原因だったりします。
内側広筋の硬結も縫工筋の硬結もマッサージで根気強くほぐすしか解消法はありません。マッサージするにはマッサージガンやフォームローラがあればそれを使うのが一番楽ですし効果的です。そういったものがなければ手や肘を使って深く円を描くようにマッサージします。緊急の場合は、内側広筋の皮膚をつまんで揺らすと一時的ですが痛みを緩和させることができます。
●膝窩筋 膝窩筋は膝裏にある筋肉で、屈伸するときに必要な筋肉です。膝を伸ばしたり、膝を曲げるときに膝裏に痛みを生じる場合、この筋肉がトリガーになっていることを疑います。 この筋肉は坂道を下る、階段を下りる、身体をひねるなど素早く方向を変えるスポーツで硬結します。また、ハイヒールもこの筋肉に負担をかけます。
この筋肉は手でほぐします。両手の親指でグイっと圧して上下左右にゆっくり動かします。痛気持ちいい強さで行うと効果的にほぐれます。この筋肉は上手くいけば1回で膝の痛みは消えることもあります。
注意点は膝裏中央に割と太い神経が走っているので力任せに圧迫しすぎない事です。
膝が腫れたり炎症を起こしているわけでもないのに痛みが生じているとき、1回のマッサージで解消できる場合もありますが、少しずつ根気強くほぐしてみてください。これらの筋肉を柔らかくしてあげれば膝痛が消えることもあります。
カテゴリ:足つぼ(東洋医学)の記事一覧