「鉄分=女性の4割が欠乏している栄養素」について

鉄道ダイヤを悩ませているのが野生動物の線路内の立ち入り。中でも7割を占めるという動物が鹿だそうです。日本全国では、ほぼ毎日どこかで鹿と衝突事故が発生しています。姫路から北西へ伸びている姫新線でも、毎週のように鹿と衝突し列車が止まっています。ツイッターで「姫新線 鹿」で検索してみると今月もすでに数回衝突事故が発生していたみたいです。

長年「なぜ鹿は命の危険をかえりみず線路内に侵入するのか?」が謎でしたが、どうやら「実は線路と列車の摩擦で発生した鉄粉目当て」という説が有力みたいです。試験的にある線路の傍に鉄を含んだ塩の塊を設置すると線路に侵入する鹿の数が激減したそう。

ところで、奈良公園の鹿が、公園の杭をつなげている鎖を噛んでいるのをよく見かけますが、こちらもこれまで「鹿が鎖で遊んでいるのだろう」と思われていました。が、実はやはり鉄分補給という見方が強くなってきたそうです。
人間も鉄分不足が問題になっていますが、動物も貧血に悩んでいるということでしょうか?

鉄分は、酸素の運搬に深く関わり、私たちが生きて行くうえで欠かすことの出来ない必須ミネラル。不足すると、なんとなくだるい疲れやすいといった症状が続き、やがてなんでもない運動、例えば、ちょっとした階段や坂などを上がるときも、心臓の動悸や息切れなどを感じるようになります。
また、鉄分は妊娠する為に必須のミネラル。女性の場合、鉄分の不足は卵巣にも影響します。鉄分不足は妊娠を維持させる黄体ホルモンの分泌を低下させてしまいます。この黄体ホルモンの分泌が低下してしまうと、卵の成熟が行われない排卵障害が起きたり、子宮内膜の状態が悪いことから着床の失敗が起きるなど、なかなか妊娠に至らないとも言われています。

その「鉄分」には他の栄養素とは違う特徴があります。それは、唯一一日に必要な所要量が男性よりも女性の方が多いの栄養素であること。人が体内に補給しなければならない鉄分の量は、厚生労働省によると、推奨量は男性で1日7.5mg、月経のある女性では10.5mg(月経のない女性:6.5mg)とのことです。

鉄分の損失は男女共そのほとんどが出血によるものです。ケガはそう頻繁にするものではありませんが、女性は生理があります。 そして、子宮筋腫が原因で月経以外の出血があったり、過多月経、頻発月経、不正出血といったトラブルを抱えている方は、さらに多くの鉄分を失っています。 そのため、女性は積極的に鉄分を摂取しなければなりません。

鉄分も。できれば食べ物からとるのが理想ですが、忙しい現代社会ではなかなか思うようにとれないのが現実ですよね。なのでサプリメントや病院で処方される鉄剤を利用されている方も多いです。ですが、サプリメントでは普通ではありえない量を摂取することができるので、過剰摂取が心配になります。
「足りていないのだから多いくらいがちょうどいいだろう」と鉄分を過剰摂取すると、中毒や胃腸障害などの副作用が起こる可能性が高くなりますし、不自然に密度や純度が高いので肝臓にも負担がかかります。
鉄分の過剰摂取で、なにより恐いのが、本来結びつくはずのたんぱく質と結合できず肝臓から血液中に溢れ出してしまいます。溢れ出した鉄分は不安定な形のため、酸素を活性酸素に変化させ、その活性酸素が各細胞を攻撃します。

特に血液が多く流れ込む心臓で危険な病気を引き起こす事例もでています。この場合、病院で検査すると心肥大がみられ、心雑音なども聞かれるようになります。

高校駅伝強豪校の鉄剤注射も大きな問題として取り上げられました。過度の鉄剤投与で、血液中のリンが減り、骨も弱くなり疲労骨折がしやすくなるそうです。中学生のころからパフォーマンスアップのため、日常的に鉄剤注射を繰り返した結果、肝機能障害をおこした例もあるそうです。 やはり自然な形で摂取したいものです。

最近、日本人だけでなく外国人にも人気の鉄瓶や鉄鍋は鉄分摂取にとても有効ですね。鉄瓶の鉄分は2価鉄とかヘム鉄とかで、とても体に吸収されやす種類の鉄分を摂取できます。しかも、鉄瓶で沸かしたお湯は、とってもまろやかな味になるので、お白湯も美味しくいただけます。

注意点は、鉄分は吸収されにくい成分であるため、他の栄養素の手助けを要します。鉄分を吸収されやすい形に変えてくれるのが、ビタミンCやたんぱく質。ビタミンCの多い食品、血液を作る機能をUPするたんぱく質の多い食品を一緒に食べることで、相乗効果が生まれます。

反対に、理屈の上での話になりますが、緑茶・紅茶などに含まれるタンニンは鉄分の吸収を疎外するといわれているので、少しだけ注意してみたほうがいいかもしれません。

ちなみに、急な貧血を起こしてしまったときに応急処置として、 冒頭の鹿ではありませんが、鉄そのものを舐めるのも一つの方法です。
アテネ五輪と北京五輪にトランポリン競技で出場した廣田遥さんも、以前「試合の次の日に貧血をおこしたんですが、マイナー競技だったためチームドクターが帯同してなかったんで、釘をずっと舐めてました。効果はありました」と話された事がありました。

ところで、アメリカ人に貧血の人はほとんどいません。ですが、アメリカでも深刻な貧血が国民病になり社会問題化した次期もありました。アニメのポパイは『ほうれん草を食べることで貧血を予防しよう』というキャンペーンキャラクターだったみたいです。ただ、ほうれん草はあまり効果がなかったようで、次にとった手段が、なんと毎朝食べるシリアルに砂鉄を混ぜました。実際、シリアルを水に浮かべて磁石を近づけると反応します。さすがアメリカ、やることが強引です。ですが、これが功を奏したわけです。

そして、同じく国民が深刻な鉄分不足に陥っていたカンボジアでは、料理に鉄の塊を入れて調理することで鉄分を補給しているそうです。この鉄の塊は魚の形をしていることが一般的で「ラッキーアイアンフィッシュ」というみたいです。
例えば、スープの中にこのラッキーアイアンフィッシュを10分入れるだけで鉄分がスープに溶けるのでそのスープを飲むだけで鉄分が解消できるというわけ。 日本も昔は鉄の鍋やフライパンを使って料理していましたが、今はテフロン加工したステンレスが一般的ですよね。こういうものを使うのもいいかもしれませんね。



ちなみにアマゾンで検索すると、いろいろな形のラッキーアイアンフィッシュがありますね。一番売れているのがたまご型の「鉄玉子」という商品みたいです。

鉄分を摂取するということは、新陳代謝がよくなり、貧血防止にも効果を発揮するだけではなく、美容効果も期待することが出来るので、積極的に摂取したい栄養素です。

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カテゴリ:食と健康